習慣流産(不育症)の対策に葉酸を摂りたい3つの理由

着床・妊娠はするけども繰り返す流産
小さな命を守れなかった辛さは、言葉に表すことができません。

「また、同じことを繰り返したくない!」

次こそは無事出産までたどり着きたい女性のために、葉酸が習慣流産(不育症)の予防にどのような役割を果たすのか、キッチリ調べました!

習慣流産(不育症)とは

不育症は、妊娠はできるけどお腹の中で赤ちゃんが育っていくことができずに、流産・死産を2回以上繰り返してしまっている症状です。

流産・死産には2種類のタイプがあって、1つは流産・死産を引き起こしてしまう病気の原因を持つ問題=リスク因子を持っているから起こってしまうケースと、もう1つは受精卵の染色体異常による胎児側の問題で偶発的(起こるべくして起こる)なもののケースです。

平成20年~22年度の厚生労働研究班が集計した日本のデータによると、検査しても異常を特定できない原因不明の場合が65.3%にも及ぶんですよ。

そのほとんどが受精卵の染色体異常になります。

検査で異常の原因が分かっているリスク因子は、子宮形態異常が7.8%、甲状腺の異常が6.8%、両親のどちらかの染色体異常が4.6%、抗リン脂質抗体症候群が10.2%、凝固因子異常が7.2%、プロテインS欠乏症が7.4%です。

データは下記URLで確認できます
不育症のリスク因子(http://fuiku.jp/fuiku/risk.html)

葉酸が不育症に有効な理由は、葉酸の成分が流産のリスク因子を予防・改善して、赤ちゃんがお腹の中で元気に成長していくのを助けてくれるからで、主に3つあります。

理由1:流産のリスク因子から赤ちゃんを守る

自分でできることがあれば、不育症の予防・対策を取りたいですよね。

それぞれのリスク因子がどのようなものなのか、予防・対策に葉酸は働いてくれるのか、異常が特定できている6つのリスク因子のうち、効かないものが4つ、効くものが2つになるので分けて説明していきます。

葉酸が効かないもの

子宮形態異常・甲状腺の異常・両親のどちらかの染色体異常・プロテインS欠乏症の4つになります。

つ目の子宮形態異常は、子宮の形が正常と違う形をしているために流産や早産を引き起こしてしまう可能性がありますが、この場合は生まれつきのものなので治療としては子宮の形を正常にする手術なので、葉酸に効果はありません。

つ目の甲状腺の異常は、ホルモンを分泌する器官なので甲状腺に異常があるとホルモン分泌がうまくいかなくなりますが、治療としては薬物療法や外科手術になるので、葉酸が予防に効くという報告はありません。

つ目の両親のどちらかの染色体異常は、夫婦のどちらかに染色体の異常があると、精子と卵子が受精できても受精卵に異常がおこることがあり、流産の確率を上げてしまう要因になりますが、両親の先天性のものなので葉酸に効果はありません。

つ目のプロテインS欠乏症は、血栓ができるのを予防してくれるプロテインSという物質が、先天的に少ない、または減少しているので血栓ができやすく流産を起こしやすくなりますが、先天的なものなので葉酸に予防効果はありません。

葉酸が効くもの

抗リン脂質抗体症候群・凝固因子異常の2つになります。

つ目の抗リン脂質抗体症候群は自分を攻撃してしまう自己抗体ができ、全身を流れる血液の中に血栓という血の塊ができて血流を悪くしてしまうものですが、血流改善に葉酸の効果を期待できるので有効ですよ。

血流が良くなると、赤ちゃんに栄養を送る胎盤に十分な血液を送ることができるので流産の確率を下げることができます。

つ目の凝固因子異常は血栓を作って血流を悪くしていまう原因を含めた総称。

この原因の中には、抗リン脂質抗体症候群、プロテインS欠乏症も含まれますが、この2つは異常が特定できているので、それ以外の原因での血液凝固ということになります。

何らかの原因で、凝固因子に異常が出ると血液が固まって血栓を作ってしまいますが、この場合も血流改善に葉酸の効果を期待できますよ。

名古屋市立大学医学部の杉浦真弓助教授の論文発表によれば、凝固因子異常は葉酸の摂取量の不足でも起こるとされているので、血流を良くするという意味で葉酸摂取が予防に有効なんです。

杉浦真弓助教授の研究結果はこちら(http://www.jsog.or.jp/PDF/54/5409-423.pdf)

理由2:偶発的に起こる受精卵の染色体異常にも効く!

そもそも受精卵の染色体異常はなぜ起こるのかというと、精子や卵子に異常があったり、受精する段階で細胞分裂がうまくいかなかったからです。

これを防いでくれるのが葉酸。

葉酸は細胞を作り出すのに欠かせない成分で、受精卵が正常に細胞分裂を繰り返すことで染色体異常を防ぎ、しっかり流産することのなく成長することができます。

そして葉酸には血流を良くしたりホルモンバランスを整えてくれる作用があるので、卵巣の機能を活発にし卵子の質も上がります。

つまり卵子の異常を防いでくれることにもなりますよね。

また、アメリカのカルフォルニア大学バークレー校パブリックヘルスのブレンダ・エスケナジ氏らの研究チームの発表で葉酸を摂取した方が、摂取しなかった男性よりも染色体異常が2~3割程度低かったという研究結果が報告されているので、男性への葉酸の有効性が証明されているんです。

研究結果(http://www.akanbou.com/news/news.2008032101.html)

ということは、奥さんだけでなく、旦那さんも一緒に夫婦2人で葉酸を摂取すればより効果的ですよね。

このように、すべてのリスク因子に予防効果があるわけではありませんが、少なからず抗リン脂質抗体症候群、凝固因子異常の予防に効きます。そして受精卵の染色体異常の防止にも。そこで不育症予防のための血流改善と細胞分裂を活発化することに葉酸が有効であるのはなぜか調べました。

理由3:赤ちゃんの発育に必要な成分です!

不育症は検査しても異常を特定できない原因不明の場合が多いけれども、大半は特に問題はなくて偶然起こってしまった=運が悪かったと結論づけられています。

妊娠はできるのに、お腹の中で赤ちゃんが育ってくれず流産してしまう・・・。
繰り返しおこると本当に辛くなってしまいますよね。

ここでは葉酸を摂取することで、赤ちゃんがきちんと育つためにどのような効果をもたらしてくれるのか、葉酸の3つの働きから解説していきますよ。

DNA・RNAを合成します

葉酸は遺伝子情報が詰まっているDNAと、たんぱく質を体内で合成してくれるRNAを作り出すのに欠かせない成分です。

きちんとDNA・RNAの合成ができれば、卵子と精子、受精卵の染色体異常も減らすことができます。

細胞分裂を助けます

人の体は無数の細胞から作られていて、活発に分裂することで細胞が増え、人間が生きていくことができます。

妊娠初期の胎児の細胞分裂は特に重要で、この時正しく分裂できていないと先天性の奇形や病気の原因になり、それが流産に繋がってしまうことがあります。

この細胞分裂をきちんと正常にするために葉酸が必要です。

血流を良くします

葉酸は赤血球を作り出すのに必要で、造血作用があります。
赤血球がきちんと作られれば、血管内が酸欠状態にならずに血液の流れもスムーズなんです。

また、血液中のホモシステインというアミノ酸が増えてしまうと、血液凝固の機能に異常が起きて血液中に血栓を作ってしまい、血流が悪くなったり血管が硬くなったりしてしまいます。

葉酸は体内でホモシステインを増やさない、また増えても減らしてくれる働きがあるので、血液がサラサラになって血流が良くなるから胎盤がしっかり機能し、胎児に栄養が届きます。

葉酸を積極的に摂取して習慣流産を防ごう!

葉酸の習慣流産防止のための効果はその成分による働きがとても重要です。

そして、葉酸は妊娠前、妊娠後を通して習慣流産のほかにも妊娠しやすい体質作り、胎児の先天性の神経障害の予防にもいいので、メリットがたくさんあります。

葉酸はサプリメントでも手軽に補うことができるので、病院での治療・対策のほかに自分でできる方法として積極的に摂取して習慣流産を防ぐために上手に活用しましょう!


Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/bluestars/cocohiyo.com/public_html/wp-includes/class-wp-comment-query.php on line 399