オメガ3脂肪酸で赤ちゃんの知性UPや産後うつ対策ってホント?

オメガ3系脂肪酸は、必須脂肪酸の1種で私たち人間にとって生命維持に欠かせない脂です。

それと同時に、妊婦さんや授乳中の赤ちゃんにとっても重要な働きをしているんですよ。

赤ちゃんが賢くなったり、産後うつ対策や、早産・流産のリスクも下げるオメガ3系脂肪酸の秘密に迫ります!

オメガ3ってなに?

オメガ3は、体内の細胞の機能に欠かせない必須脂肪酸の1つで、私たちが生きていくためにとても重要な栄養素です。
脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられ、オメガ3は不飽和脂肪酸の中の必須脂肪酸です。

脂肪酸って聞くと「カラダに悪そう」とか「太りそう」というイメージがあるけれど、そうとは限りません。

飽和脂肪酸は動物性の脂質です。
常温では固まりやすいので、摂りすぎると血流が悪くなって高脂血症・動脈硬化・心筋梗塞など様々な病気や肥満に繋がる危険があります。
つまり、摂りすぎるとあまり良くない油なので控えるべき。

それに対して不飽和脂肪酸(オメガ3)は、主に植物性の脂質です。
常温では固まりにくて、血液をサラサラと流れやすくしたり、血中の中性脂肪やコレステロールの量を調整する作用があるので高脂血症、動脈硬化や心筋梗塞の予防効果がある特徴。

不飽和脂肪酸の中でも生きるために必要な必須脂肪酸は、不足しないように積極的に摂らなければいけないってワケなんですよ。

それなのに、オメガ3は体内で作り出せないので、食品やサプリメントなどカラダの外から摂り込まなければいけません。

日本人はオメガ3が不足している?

フと思うのが、「自分は普段の食生活でどのくらいオメガ3を摂っているんだろう?足りているのかな?」という疑問。

厚生労働省が発行している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(←2015年4月~2020年3月までの基準)によると、成人女性(50歳未満)の1日あたり摂取目安量は1.6グラムですが、同じく厚生労働省が発行している「平成27年国民健康・栄養調査報告」によると、1.85~1.98グラムも摂取しています。
とはいえ、調理法は

とはいえ、これは一般の女性の場合です。
もし、妊娠中や授乳中なら、胎盤や母乳をとおして赤ちゃんとオメガ3をシェアしなくちゃいけないので、多めに摂っておきたいのが本音です。

妊娠中&授乳中こそオメガ3を摂ろう!

妊娠中や授乳中の子育て中は、いろいろ心配になって気持ちが不安定になったり、体に不調が出てしまったりすることもありますよね。

オメガ3は妊娠・授乳しているママ自身の健康にも必要で、血流が良いことでホルモンバランスを安定させてくれるので、睡眠の質を向上させたりストレスを緩和させる効果も期待できますし、肌トラブルの予防や改善にも効果的。

妊娠中はお腹の赤ちゃんに血液を通して栄養を運ぶので、血液の流れを良くする効果でスムーズに栄養を届けることができます。

授乳中については母乳が血液を元に作られているので、血液の流れが良いと母乳の出が良くなったり量も多くなる効果が期待できるんですよ。

またカナダ・ウォータール大学の研究で、妊娠中にオメガ3をサプリメントで摂取したら、生まれてきた子供の喘息のリスクが低下したという報告もあります。

順天堂大学医学部の研究報告では、オメガ3摂取で胎児の運動能力アップしたことも分かりました。
それ以外にも妊娠中と授乳中に特にオメガ3が十分な量を必要とされているのには、注目すべき3つの理由があります。

  1. お腹の中の赤ちゃんの知能がアップする
  2. 環境・カラダ・気持ちの変化による産後うつを予防する
  3. 妊娠中の早産や流産のリスクを下げる

それぞれ、なぜオメガ3が有効なのかを根拠を交えて紹介しますね。

赤ちゃんの知性アップ

オメガ3は脳の神経細胞を形成するために必要な栄養素なので、脳が作られ完成する胎児の時期にママが十分に摂取して赤ちゃんに届ける必要があります。

また赤ちゃんが生まれてからも、ママからの母乳を通じて脳を活性化させて集中力や記憶力を高める作用があるんですよ。

オーストラリアのアデレート大学が、授乳中に母親がオメガ3を十分に摂取することで早産で産まれた女児の脳機能の向上させるという研究結果を報告しました。
参考:Omega-3 Fatty Acid May Help Preemie Girls Brains

ロチェスター大学とセイシェル健康省の1,265組の母子を対象とした研究で、オメガ3系脂肪酸摂取のプラスの影響が水銀摂取のマイナスの影響を上回り、赤ちゃんの知能の発達に有効なことが分かりました。
参考:http://ajcn.nutrition.org/

産後うつ対策

日本精神神経科診療所協会によると、オメガ3には脳を活性化する抗うつ作用の効果があり、うつ病のリスクを減らす働きが期待されています。
実際にうつ症状がある被験者は、オメガ3の摂取量が少ないことが富山大・医と麻布大・生命、環境科学部の研究で報告しています。

日本の長寿科学研究所によると、2006年から2008年にかけて40歳以上の男性1050人と女性1073人を対象とした研究で、血液中のオメガ3脂肪酸量が多い人ほどうつ症状になりにくいことが分かりました。(参考

早産・流産のリスクを下げる

オメガ3で血流を良くすることで、赤ちゃんにきちんと栄養が届き、血行促進で冷えを防ぎ子宮の収縮を抑制することで早産を防ぐ効果に繋がると考えられます。

8,729人の妊婦さんを対象とした研究で、オメガ3の摂取量が少ないと早産あるいは低出生体重児出産のリスクが高いとの報告されました。

また、東京大学大学院の研究結果では、オメガ3が早産を防ぐ効果があることが報告されました。

オメガ3の種類と摂り方

オメガ3は3種類の油に分けられ、それがαリノレン酸、DHA、EPAです。
αリノレン酸は体内でDHA、EPAに変換されますが、酸化しやすいので酸化してしまうとDHA、EPAに変換されずらいという特徴も。

DHA(ドコサヘキサエン酸)は主に血液をサラサラにして血流を改善してくれて、EPA(エイコサペンタエン酸)は脳の活動を活性化させて記憶力をアップさせる働きがあり青魚に多く含まれる油です。
DHAとEPAの両方を一緒に摂取することで、それぞれの効果を高めることができるんですよ。

αリノレン酸、DHA・EPAを豊富に含む食品と含有量は、次のとおりです。

食材 DHA EPA
マグロ 2,877㎎ 1,288㎎
ブリ 1,785㎎ 899mg
サバ 1,781㎎ 1,214㎎
サンマ 1,398㎎ 844㎎
マイワシ 1,136mg 1,381㎎
サケ 820mg 492㎎
アジ 748mg 408㎎

※100gあたりの含有量

このように、DHA・EPAは青魚に圧倒的多く含まれています。
魚以外では、こんなに多く含んでいる食べ物はありませんが、体内でDHA・EPAに変換されるαリノレン酸が豊富な食品があります。

  • えごま(24,000㎎)
  • くるみ(9,000㎎)
  • 大豆油(6,100㎎)
  • 大豆(2,000㎎)
  • えだまめ(540㎎)
  • ごま(150㎎)

この他に、しそ油や菜種油、アマニ油にも多くのαリノレン酸が含まれ、えごまを油にしたえごま油は特にオススメ。

αリノレン酸、DHA・EPAを豊富に含んだ食品でも、調理法によっては栄養が失われてしまうのでオメガ3の上手な摂り方についても紹介しますね。

オメガ3を効果的に摂る方法

お魚からオメガ3を摂る場合にDHA・EPAは熱を加えると脂が外に溶け出てしまい、その分栄養を逃してしまいがちです。

刺身にして生で食べることでしっかり栄養を摂ることができますが、妊娠中はマグロなど水銀量が多い生魚を食べ過ぎると、胎児の発育に悪影響を与える可能性があるので注意が必要です。

実はDHA・EPAが多く含まれているのは魚の部位の中でも普段は捨ててしまいがちな頭や内臓、骨や皮の部分なんですよ。
でも、これらの部位は生で食べることはできませんよね。

この場合、魚まるごと全部食べるのに有効な方法が圧力鍋を使った調理法です。
圧力鍋で頭も骨も柔らかく煮れば、魚全部まるごと食べることができますよ。
特に一尾が小さめのイワシやサンマがおすすめ。

煮魚の汁で雑炊を作ったりすれば、汁に溶け出た脂もご飯と一緒に食べれるので余すところなくDHA・EPAを摂ることができます。

でも中には、「私、青魚苦手であんまり食べれないんだよな…」って方もいるかと思います。
そういう方がオメガ3を摂る方法として手軽なのが、サプリメント。

値段的にもお手頃で人気が高いのが、ネットの口コミでも評価の高い「きなり」です。
大豆油やえごま油は大きいスーパーでは売っているので、普段の食生活で炒め物や揚げ物に使うだけでなく、マヨネーズやドレッシングを手作りしてみるのもいいですよ。

オメガ3を意識して食生活に積極的に取り入れよう!

妊娠中は過度な体重増加も気になるところで、高カロリーな食事にならないように油を控えてしまうこともあるかと思いますが、控えるべきは肉や菓子類に含まれる飽和脂肪酸するといいですよね。

魚中心の食生活にしてみるのもいいかもしれません。

赤ちゃんの健康のためにも、ママ自身が健康で明るく子育てするためにもオメガ3はとっても大切な栄養素。
意識して食生活に取り入れないと不足してしまうので、ぜひ積極的に普段の食事にプラスしていきましょう!


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