妊活や妊娠継続のために必要な栄養素といえば葉酸や亜鉛が有名ですが、三大栄養素やビタミン類のことを忘れていませんか?
必要な栄養素は葉酸や亜鉛だけじゃありません。
基本の栄養を一度おさらいして、妊娠しやすい&無事出産できるカラダ作りに役立ててくださいね。
三大栄養素、ビタミンの働きと妊活&妊娠中の効果
三大栄養素は私達が生きていくために必要なエネルギーの源で、ビタミンは健康に元気でいるために、体の働きをサポートして調子を整えてくれるんですよ。
ここでは三大栄養素(たんぱく質、炭水化物、脂質)とビタミン類(ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE)を栄養素ごとに、働きと妊娠するためと妊娠を継続するための2つの効果を紹介しますね。
たんぱく質
筋肉や骨、血など体の元となる組織を作る成分で、妊娠するために必要な女性ホルモンの生成にも欠かせません。
また、筋肉は体を動かすのに必要不可欠でしっかり筋肉を作り出せば体の代謝を上げ、血流を良くして体を温かくしてくれます。
血流が良いと卵巣の機能がアップしますし、子宮内膜を厚くして受精卵が着床しやすくなりますよ。
妊娠してからは、お腹の中の赤ちゃんの成長にも重要で、赤ちゃんの細胞を増殖させて脳や皮膚、筋肉、髪の毛などをしっかり作りだしてくれるんです。
体に良い卵、牛乳、大豆、豆腐、納豆などの栄養価の高い良質なたんぱく質を食事に取り入れるといいですよ。
炭水化物
体を動かすエネルギー源で、脳を活性化させて日々活動するのに必要な栄養素です。
しかし、妊娠するために必要以上に摂取する必要はありませんし、妊娠中も増やす必要はありませんが、妊娠後期はお腹の赤ちゃんが特に成長するので、1日におにぎり1個程度増やす分にはかまわないでしょう。
気をつけるのは摂取する炭水化物の種類で、炭水化物には単一炭水化物と複合炭水化物の2種類があり、単一炭水化物はカロリーが高いのに栄養価は高くありません。
例えばパスタ、パン、クッキー、ケーキ、ファーストフードなどで、これらの食品はただ太る元なので食べるのを控えましょう。
複合炭水化物は栄養価が高く食物繊維も豊富です。
例えば玄米、全粒粉、いも類、豆類、果物類などがあり、パンやパスタは全粒粉のものにしたり、時々は白米ではなく玄米にしてみるのもいいですね。
妊娠中は激しい体重の増加や妊娠糖尿病を防ぐためにも、炭水化物は複合炭水化物の方を積極的に食べるようにしましょう。
脂質
体のエネルギー源であり、体の構成成分でもあるので機能調節をしてくれます。
脂質と聞くと、「脂だからあまり取り過ぎない方がいいな」と思うかもしれませんが、脂質には体に良いものと悪いものがあるんですよ。
体に良いのは不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸で、体に悪いのはトランス脂肪酸。
不飽和脂肪酸は青魚に多く含まれるDHAとEPAが血流を良くしてくれるので、卵巣や子宮の機能を改善し妊娠力をあげてくれます。
飽和脂肪酸は肉類や乳製品に含まれていて女性ホルモンを作る助けをしてくれますが、多く摂りすぎてしまうと血流を悪くしてしまう原因にもなってしまうので摂り過ぎには注意しましょうね。
DHAとEPAは妊娠中に胎児の成長にも必要な成分で、赤ちゃんの脳や神経の発達にかかせませんし、DHAとEPAをしっかり摂取することで早産や低体重児で生まれてくることを防ぐ効果も期待できます。
一方でトランス脂肪酸は市販のお菓子類や冷凍食品やレトルト食品などの加工品に多く含まれていて、食べ過ぎると排卵障害など不妊の原因になってしまうことも。
ビタミンA
皮膚や粘膜を正常に保つ働きや細胞の増殖を助ける働きをします。
妊娠前は子宮内膜がしっかりできていないと受精卵が着床できないのでビタミンAの働きが必要ですし、妊娠してからは細胞分裂を繰り返して成長していく胎児の発育にも大切なんですよ。
でも気をつけなければいけないのが、妊娠に気づく前の妊娠初期を含む妊娠中の摂取量で、過剰摂取が続くとビタミンAに含まれるレチノールが胎児の発育に悪影響を与えてしまい、先天性の異常を持って産まれてくる可能性があります。
妊娠中のビタミンAの摂取量の目安は700ugRE程度で、ビタミンAの含有量が多いレバーにすると5gくらいなので毎日レバーを食べ続けるのは避けた方が無難ですね。
とはいえ、普通の食生活ではビタミンAが過剰摂取になることはまずないので、人参やほうれん草など野菜中心の食事をすればビタミンAを程よく摂取することができますよ。
食事ではなくサプリメントで毎日ビタミンAを摂ると、過剰摂取になる危険があるので注意しましょう。
ビタミンB群
体のエネルギーを作り出し、代謝や細胞分裂を促す働きがあります。
ビタミンB群には8種類あり、一緒に摂取することでそれぞれの効果を高めることができますが、妊活と妊娠継続に特に必要なのは葉酸とビタミンB12です。
葉酸が妊娠前から妊娠中に必要な栄養素だということはご存知の方も多いと思いますが、それは葉酸に胎児の脳や神経管を作る働きがあり、不足すると赤ちゃんが神経管閉鎖障害で産まれるリスクが高くなるからです。
厚生労働省でも特に妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月までは1日400ugを摂取するように推奨しています。
妊活中は正常な細胞分裂を促すので、質の良い卵子を排卵して着床しやすい受精卵になるように妊娠力をアップしてくれます。
ビタミンB12は葉酸の吸収や働きをサポートしてくれて、しじみやあさり、のり類に多く含まれていますが、効果を高めるためにもぜひ葉酸とセットで一緒に摂取してくださいね。
葉酸は納豆、モロヘイヤ、いちごなどに豊富に含まれますが、熱に弱い特性があり加熱調理すると含有量が少なくなってしまうので、サプリメントでビタミンB12入りのものを選んで確実に摂取するのもいいですよ。
ビタミンC
抗酸化作用があり、活性酸素が体内で増えすぎるのを抑える働きをします。
活性酸素は体に悪いウイルスや細菌を撃退してくれる大事な物質ですが、増えすぎると体に必要な細胞までも攻撃して体にダメージを与えてしまい、卵子を老化させて不妊の原因となることも。
日々の生活でストレスがどんどん溜まっていくと、活性酸素も増えてしまうので妊活中のビタミンCの摂取はとても大切です。
また、ビタミンCを摂ることで免疫力を高めてくれるので、病気になりにくい体作りをしてくれます。
妊娠中は、お腹の赤ちゃんのためにもママが元気でいてしっかり栄養を摂る必要がありますし、体調を崩して薬を飲む生活をしなければいけない体になったら赤ちゃんの発育への悪影響も心配ですよね。
ビタミンCはパプリカやピーマンなどの野菜や、レモンやキウイなどの果物に多く含まれ、葉酸と一緒に摂れば葉酸の吸収率をアップさせる効果もあるんです。
ビタミンE
血管を広げる作用があるので血流を良くしたり、ホルモンを正常に作りしっかり分泌する働きがあります。
また、抗酸化作用もあり、体がサビていくのを予防するので加齢とともに進む卵子の老化を遅らせたり、卵子の質をアップする効果が期待できるんですよ。
ビタミンEは妊娠するための黄体ホルモンを作りだしてくれるので、子宮内膜を厚くし、基礎体温の高温期を維持して妊娠するための準備を整えてくれます。
妊娠中は血流が良いことで胎児にスムーズに栄養や酸素を送ることができるので、健やかな発育をサポートしてくれたり、子宮内の居心地を良くするので流産予防にも効果があるとされているんですよ。
ビタミンEはまぐろやいわしの缶詰や、野菜ではかぼちゃやモロヘイヤに多く含まれ、同じ抗酸化作用のあるビタミンCと一緒に摂取すると相乗効果があるのでおすすめです。
基本が大切!栄養バランスが良い食事は無敵
妊活、妊娠継続するためにはやっぱりいろいろな栄養素が必要で、一部の栄養素に偏ってしまうと体の機能を乱してしまうので、栄養バランスの良い食事を心がけることはすごく大切。
自分の食べた食事を書き出してみるなど、1度食生活を見直してみるのもいいかもしれません。
今回紹介した栄養素をぜひ積極的に食事に取り入れて、赤ちゃんを授かるため&元気な赤ちゃんを産むために健康な体作りをしてみてくださいね。