いくらかかる?帝王切開の費用と保険(健康保険と生命保険)

帝王切開には、逆子や双子などの場合に行われる予定帝王切開や、赤ちゃんに危険が迫って行われる緊急帝王切開の2つがあります。どちらにしても気になるのが費用ですよね。

切る縫うといった医療行為のため「高いのでは?」とか「いくら用意しておけばいいんだろう・・・」と不安を感じてしまいますよね。

このページでは、帝王切開の費用のほか、生命保険が使える事実や自己負担を減らす公的制度について紹介します。

帝王切開の費用。みんなどのくらいかかってるの?

まず、帝王切開の手術の費用自体は住んでいる地域や病院によって金額が変わることはなく、一律で221,600円と決まっています(2016年1月現在)。32週未満の早産での帝王切開の場合は245,200円です。

帝王切開によるその他の医療処置が必要になった場合は、その分が金額に加算されます。けれども、健康保険が適応されるので、その金額のうち3割が自己負担となり、実費支払いは最低でも73,560円(245,000円×30%)ということになります。

帝王切開の費用が高くなる理由

帝王切開で出産すると費用が高くなる理由には、手術があるほかに、入院が長くなるから。

通常の自然分娩であれば、入院日数は5日程度です。しかし、帝王切開の分娩になると入院日数が8日程度と長くなります。母体の健康状態によってはもっと長くなることもあるでしょう。

手術により母体に負担がかかるため、術後の安静期間が自然分娩と比べてどうしても長くなるからなんですよ。

帝王切開の実費負担の相場

入院費は、1日につき7,000円~13,000円くらいです(自己負担は3割)。すると、実費負担の相場は次のとおりになります。

入院8日×13,000円×30%=31,200円(入院費)
260円×3食×8日=6,240円(入院中の食事代)
+73,560円(帝王切開自己負担)

合わせると、111,000円です。

通常の自然分娩でかかる出産費用が42万円前後。その金額に帝王切開でかかるお金をプラスすると、帝王切開の出産費用は53万円前後ということになりますね。

そこから公費で支払われる出産一時金の42万円を差し引くと、11万円くらいを実費で支払うことになります。

※医療制度改革により、食事代が引き上げられます。2016年に360円、2018年に460円へとアップします。

生命保険や医療保険で持ち出しを減らす!

公費である程度賄えるとはいえ、やはり10万円以上の支払いは負担になりますよね。そこで、とても役に立つのが生命保険や医療保険なんですよ。

生命保険は基本的に死亡保障ですが、特約で入院や手術をつけていれば、帝王切開の手術にも適応されます。医療保険も、もちろん適応です。保険の種類や掛け金によってもらえる金額は変わってきますが、およそ10万円くらいですよ。

帝王切開で保険金がもらえる条件

ここで大事なのが、もらえる条件。保険金を受け取るためには、妊娠前に保険に加入していなければいけません。妊娠中でも週数によって保険に加入すること自体は可能ですが、条件がついてしまいます。

その条件とは、子宮に関しては病気、手術、入院等があっても、加入してから決められた年数(1~5年)は保険の対象にならないというものです。この年数は保険の種類によってことなります。

帝王切開で2回以上出産するときは要注意!

また1回帝王切開で出産していると、2回目も帝王切開で出産になります。しかし、1回目の帝王切開の後に保険に加入する場合も、5年以内の子宮に関するものに対しては保険の対象にならないので、2回目に帝王切開で出産する時期によっては保険金はおりません。

つまり、生命・医療保険をあてにして生むなら、上の子と下の子の年齢差が5歳以上ということになりますが、家族計画としては疑問符がつきます。

なので、妊娠前に生命保険か医療保険に入っていれば、帝王切開の実費分の費用もひとまず安心です。保険によってはプラスになってお得になることも。自分の加入している生命保険、医療保険についてしっかり確認しておきましょう!

実費が増えてもひとまず安心。高額医療費や医療費控除が該当になる!

「保険には加入しているけど対象にならないし、もし帝王切開で予想外にお金がかかることになったらどうしよう・・・」と不安な人もいますよね。

そのような場合、少しでもお金の節約ができる方法があるんです。それは高額医療費制度、医療費控除です。詳しく説明していきます。

高額医療費制度

高額医療費制度とは、病院や薬局の窓口で支払うひと月分の医療費が、一定の限度額を超えた場合にその超えた分の金額を支給してくれる制度です。

限度額は、収入によって変わります(標準報酬月収額)。標準報酬月収額とは、毎年4~6月までの3カ月分の基本給と諸手当を合算してから1ヶ月分に平均化したもので、役職手当、住居手当、通勤手当、扶養手当等の月単位で一定額が支給される固定的賃金、残業手当、ボーナスも含まれます。結婚祝い金、出産祝い金、見舞金、退職金などの恩恵に関わるお金は含まれません。

ひと月あたりの医療費の自己負担限度額は、次の計算式に当てはめると計算できます。

標準報酬月収額 自己負担限度額
26万円以下 57,600円
28~50万円 80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

例えば、帝王切開でかかった医療費221,600円+医療処置費3万円+延びた入院3日分3万円で計算してみましょう。

80,100円+(281,600円-267,000円)×1%=80,246円

つまり、一ヶ月に支払う医療費は80,246円まで(超えた分は健康保険が負担してくれます。正確には支給されます)。

事前に医療費が高額になることが分かっているのであれば、自分が加入している保険組合に限度額適用認定証を交付してもらいましょう。会計時に認定証を提示することで、窓口での支払いが一定の限度額だけですみますよ(複数の医療機関を受診しているときを除きます)。

なお、上限額の計算は社保と国保によって変わります。標準報酬月額(毎年4~6月の給与や手当等)を利用するのは社保加入している人やその扶養者ですが、国保に加入している人は年間(前年)の総所得によって上限額が変わります。

医療費控除

医療費控除とは、1年にかかった医療費の自己負担が10万円以上(所得金額が200万円未満の場合は「所得金額×5%」の額)になった時に、その医療費の一部を税金から控除する制度です。

分かりやすく言うと、所得税が安くなるということ。

これは、自分だけでなく家族の医療費も合算することが可能で、控除される金額の上限は200万円までです。計算式は次のとおりとなっています。

1年間に払った医療費-保険金で支払われた金額-10万円=医療費控除額

帝王切開で医療費控除を使うとどうなるの?

例えば、帝王切開して保険金(生命保険や医療保険)をもらわず、高額医療費制度を利用して払った分と家族分の1年の医療費が15万円(帝王切開の高額医療費で8万円、それ以外の医療費が7万円)だったとします。すると、

15万円-10万円=5万円

となり、この5万円が医療費控除の額になります。この額に、収入による所得税率をかけたものが還付金として戻ってきて、実質、所得税が安くなります。

所得金額 税率
195万円超~330万円以下 10%
330万円超~695万円以下 20%
695万円超~900万円以下 23%

(※税率は7区分ありますが、よく使われる部分だけを抽出しました)

例えば300万円だと、5万円×10%=5,000円となり、この5,000円分が還付金として戻ってきます。

医療費控除の対象は病院で支払った医療費はもちろん、病気やケガの治療に必要で薬局で買った医薬品等も含まれます。領収書やレシートをきちんととっておいて、確定申告の時期に持参して申告しましょう。

保険や制度を上手に使おう!

帝王切開の費用を全額自己負担となると、かなり高額になってしまいますが、保険や高額医療費制度、医療費控除を使うことによって負担額を軽減することができます。

保険によってはプラスになることもあり、いずれにしてもきちんと申請しなければいけません。赤ちゃんが生まれれば子育てで忙しくなると思いますが、保険や制度を上手に使って忘れずに申請しましょう!


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