DHA/EPAは、私たちのカラダになくてはならない栄養素で、妊娠や知育にとっても大切です。
「妊産婦のための食正活指針」(平成18年2月厚生労働省)では、赤ちゃんのためにDHAの摂取が推奨されているほど。
「不妊気味だけどそろそろ赤ちゃんを授かりたい」「赤ちゃんに賢く育って欲しい」などDHA/EPAのメリットを紹介します。
Contents
赤ちゃんが欲しい時のDHA。妊活へのメリットとは?
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、主に青魚に含まれる脂で、低温でも固まることがないので体の細胞にDHAの栄養が行き届き、体にとても良い効果を与えてくれる脂です。
「DHAが体に良いのは知ってたけど、妊娠するためにも大切なのは何でだろう?」と思いますよね。
DHAが妊活に良いとされている最大の理由は、血流を改善する効果があるから。
妊娠するために血流が良い状態であることはとても重要で、血流が悪いと不妊の原因にもなってしまうんですよ。
DHAの血流改善で期待できる効果を3つ紹介しますね。
その1=女性ホルモンのバランスを整える
女性ホルモンは脳からの指令で卵巣に分泌を促すわけですが、その指令は実は血液の流れに乗って行われているんです。
血流が悪くなって女性ホルモンの分泌がうまくいかなくなると、ホルモンバランスが崩れて生理周期が乱れたり排卵がきちんとされなかったり、排卵後の基礎体温が高温相を維持できなかったりと様々な悪影響が出てしまいます。
だから女性ホルモンをきちんと分泌するために、DHAで血流を良くすることが大切なんですね。
その2=質の良い卵子を作る
卵子には質の良い卵子と質の悪い卵子があって、妊娠する確率を上げるには妊娠するための力が十分に備わっている質の良い卵子を作る必要があり、卵子の数も多い方が受精できる確率を高めます。
卵巣内の卵子の数は増やすことができず加齢とともに減少するので、大切に育てて卵子が減る速度を遅らせることが大事。
DHAで血流を良くすると、卵巣内の血流量もアップして卵子の元となる細胞を正常に育てることができますよ。
その3=着床しやすい子宮環境にする
卵子と精子が受精して受精卵になっても、その受精卵が子宮内に着床できないと妊娠することはできませんよね。
子宮内に着床しやすくするためには、女性ホルモンのプロゲステロンを排卵後にしっかり分泌し、受精卵が着床する子宮内膜を厚くして温かく柔らかいベットのようにいごごちの良い環境に整えること。
DHAで血流を良くなれば女性ホルモンの分泌を促してくれるし、子宮内の血流も良くなり温かい環境が整うので、受精卵が着床しやすく妊娠する確率も高くなりますよね。
DHAは赤ちゃんに良い(妊娠中・育児中の女性向け)
DHAはママだけでなく、妊娠中のお腹の赤ちゃんや生まれてからの授乳中の赤ちゃんにも良いんですよ。
ここでは赤ちゃんのための「知能アップ」と「早産のリスクを減らす」この2つについてなぜ良いのか紹介します。
赤ちゃんの知能アップ
妊娠中、授乳中にママがDHAを摂れば赤ちゃんの知能アップが期待できると言われているので、とても気になりますよね。
私は、子供の頃に母親から「青魚を食べると頭が良くなるんだよ」と聞かされて育ち、頻繁に魚が食卓に並んでいた記憶があります。
なぜそのように言われているかというと、青魚に豊富に含まれるDHAに脳の発達を促して機能を高めてくれる働きがあるので、知能アップが期待できるからなんですよ。
なぜDHAが脳の発達に重要かというと、脳はたくさんの脳細胞から作られていてその中の神経細胞の中に多くのDHAが存在し、DHAが多いほど神経伝達物質を増やしてくれるので脳をどんどん活性化してくれるんです。
実際にノルウェーの妊婦さんを対象にした実験では、DHAを摂取したグループの方が摂取していなかったグループよりも生まれた子供のIQが良いと結果が出たり、イギリスの実験でも授乳中にDHAを摂取した乳児は摂取していない乳児よりも8年後のIQが高かったことが証明されています。
DHAは体内で作られない成分なので、食事から欠かさず摂取しなければいけません。
妊娠中、授乳中はママが摂取することで胎盤と母乳を通して栄養を届けることができますよ。
「じゃあもし、産後母乳の出が悪かったらどうすればいいの?」と心配になりますよね、でも安心してください。
実は国際規格で日本はもちろん海外でも粉ミルクにDHAを添加するように推奨しているので、赤ちゃんが飲む粉ミルクはほとんどのメーカーでDHAが含まれているんです。
産後母乳が出なくても、DHAが含まれる粉ミルクを選んで赤ちゃんに飲んでもらえば、しっかりDHAを摂取することができますよ。
早産のリスクを減らす
アメリカの研究で、妊娠中の妊婦さんがDHAを十分に摂取することで早産を防ぐ効果があると証明されています。
DHAを摂取した妊婦さんは、摂取していなかった妊婦さんよりも34週未満で赤ちゃんが生まれる割合が低かったというもので、DHAを摂取した妊婦さんが早産した場合でも赤ちゃんは低体重児である割合が低かったと報告。
なぜDHAが早産予防になるかというと、DHAは陣痛をひきおこす「プラスタグランジン」と関わりがあり、この物質を調整して抑制する効果があるからなんです。
お腹の中の赤ちゃんは、臨月の37週まではママのお腹で栄養をもらっていた方が体の臓器が十分に完成して、生まれてから問題なく自分で呼吸して生きていくことができます。
赤ちゃんが生まれてきたら、すぐ抱っこして母乳をあげて育てていくためにも早産しないようにしたいですよね。
DHAが不足しないようにしっかり摂ろう!
赤ちゃんを授かるために、妊娠してからはお腹の赤ちゃんの成長のためにDHAを積極的に摂りたいですね。
厚生労働省ではDHAの1日の摂取量の目安は1gとしていますが、妊娠、授乳中は赤ちゃんの分も含めて1.8gの摂取を推奨しています。
普段の食事を魚中心にすると良いですが、妊娠中は魚に含まれる水銀を多量に摂取すると赤ちゃんに障害が出てしまう可能性もあるので注意が必要です。
マグロやブリに多く含まれるので、これらの魚は1週間に100g以下にしてなるべく食べるのを控えるといいでしょう。
青魚が苦手な方や魚の水銀が特に気になる方は、水銀が含まれない国産のサプリメントからDHAを摂取する方法もおすすめですよ。