卵管狭窄(卵管閉塞・卵管つまり)は、女性不妊の原因のひとつ。子宮と卵巣をつなぐ卵管が詰まってしまうと、精子は卵子の元に辿り着きにくくなってしまうので受精が難しくなり、もし受精できたとしても、受精卵が子宮内に移動しにくくなるので妊娠へのハードルが高くなります。
卵管狭窄(卵管閉塞)の原因と自宅でできる治療法を紹介します。
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まずは卵管狭窄(卵管閉塞・卵管つまり)の原因を知ろう
卵管は詰まってしまう原因は、子宮内膜症や子宮外妊娠、虫垂炎、クラミジア感染によることがあげられます。これらは、子宮や卵管を炎症させてしまうので、その炎症によって癒着を引き起こし、卵管が詰まってしまう原因となってしまいます。
卵管の詰まりで怖いのは、自覚症状がほとんどないことです。卵管が炎症しているのに、痛みや痒みなどの明らかな自覚症状は一切現れません。
したがって、癒着を引き起こしていることに気付かないまま症状が進行してしまうことも多いです。
特に、性感染症であるクラミジアによる場合には、性器のかゆみを感じることなどもないので、一番気づきにくいといわれています。
卵管が詰まっても妊娠できる!
卵管詰まりは、妊娠することができないのでしょうか。結論から申し上げますと、その答えは「ノー」です。卵管が詰まってしまったからといって、まったく妊娠することができなくなるわけではありません。
卵巣と卵管は、左右に1つづつ合計2つあります。したがって、どちらか一方のみの詰まりであれば、自然妊娠をすることもできますし、両方とも詰まってしまったという場合でも、治療で解消することができます。
ただし、卵管が詰まってしまっている状態が進行しすぎると、治療が難しい場合があります。前述したように、卵管の詰まりは自覚症状が出ません。
自分で卵管が詰まってしまっていることは分からないので、婦人科で定期検査を受けるようにしておくのも一つの手です。
卵管狭窄は婦人科の検査で分かる
卵管の詰まりを調べることができるのは、婦人科での検査。「妊娠できないんです」と医師に伝えれば、まずは妊娠しにくい原因を総合的にチェックする中で、卵管が詰まりや腫瘍ができていないかどうかもしっかり検査します。
どんな検査をするの?
検査の方法としては、生理食塩水を子宮口から注入して卵管を通ることができるかどうかを調べる卵管通水検査と、造影剤を子宮口から注入し、レントゲン検査を行うことによって、卵管が詰まっていないかどうかを調べることのできる卵管造影検査があります。
参考記事:卵管造影検査で妊娠率アップのワケや検査内容
参考記事:卵管通水検査が妊娠に良いらしいけど費用や痛みは?
卵管通水検査は特殊な装置は必要ないので、比較的どこの婦人科でも受けることができますが、卵管造影検査については特殊な装置が必要となるので、特定の婦人科でしか受けることができません。
検査の結果、卵管が詰まってしまっている場合には、卵管鏡下卵管形成術や、腹腔鏡手術で卵管の詰まりを解消する治療を行います。
卵管狭窄が重度なら外科的治療が必要です
卵管鏡下卵管形成術は、内視鏡がつけられたカテーテルを子宮内に挿入し、卵管の近くでバルーンを膨らませます。そして、卵管の中にバルーンを進めながら、卵管の様子を内視鏡で観察し、詰まってしまっているところを広げ、卵管の詰まりを解消します。
腹腔鏡手術は、腹部にごくわずかな穴を開けて内視鏡を挿入し、卵管の癒着してしまっている部分をはがしたり、卵管を形成したりして卵管の詰まりを解消します。この際、全身麻酔がなされるので、入院が必要となります。
自然妊娠を目指すのであれば、卵管のつまりはしっかり治療しなければいけません。ただし、卵管の詰まりがかなり進行してしまい、手を施すことのできない場合には、体外受精による妊娠を目指します。
漢方薬で卵管狭窄が改善するってホント?
妊娠できずに受診したら卵管の詰まりと診断されたのを機に、ある漢方を飲み始めたことによって、妊娠することができたという症例があります。
その漢方薬は「六君子湯(ろっくんしとう)」。そこで、六君子湯の秘密に迫ります。
卵管狭窄で飲みたい六君子湯(ろっくんしとう)
六君子湯は、胃もたれや吐き気、軟便などの症状がある人に処方される漢方薬のひとつです。胃腸のはたらきをよくしてくれ、やせ型の疲れが中々とれない人に向いている漢方薬です。虚弱や冷え、水分停滞に効くといわれています。
六君子湯には、甘草や人参、蒼朮、半夏、茯苓、陳皮、大棗、生姜で構成されているので、体を温める効果があるといわれていますが、主にどの成分が卵管の詰まりに効いているのかどうかは分かっていません。
しかしながら、9年間不妊治療を行ってなかなか妊娠できなかった人が、六君子湯を飲んで2ヶ月で妊娠することができた症例や、結婚してから8年、卵管が詰まっていることを理由に子宝に恵まれなかった女性が、六君子湯を飲み始めてから5ヶ月で妊娠することのできた症例などもあります。
飲み続ける期間は?
卵管の詰まりが原因で、不妊治療を行っていた女性で、六君子湯を飲み始めて妊娠することのできた女性は、六君子湯を飲み始めてからおよそ2ヶ月~半年で妊娠することができているケースを耳にします。
稀なケースですが、早ければ1ヶ月以内、2週間で妊娠している女性もいるので、卵管の詰まりと診断されたら試してみる価値は多いにあります。
六君子等のお値段や購入先
六君子湯は、漢方薬を販売している大手メーカーからも販売されています。1箱3000~5000円前後ですよ。
また、漢方の処方箋が出せる病院であれば処方してもらうこともできますから、薬剤師や医師に相談したうえでの購入をおすすめします。
卵管のつまりは症状がないし、普段から目で確認できません。そのため、漢方が効いているか分かりにくいし、そもそも漢方はじわじわと効果が出てくる遅効性のお薬です。
2~6ヶ月は飲み続ける根気強さがなければ続きませんが、費用や精神的な負担はグッと小さい不妊治療であることは確かです。