赤ちゃんを産める20代30代なのに、月経が来なくなる早発閉経。原因は、卵巣が実年齢より衰えてしまい働きが弱くなる、または働かなくなる(早発卵巣不全=POI)ためで、赤ちゃんを授かることは難しい現状です。
しかし、実際に妊娠できた女性がいることも事実。ここでは、早発閉経(早発卵巣不全)の治療法などについて紹介します。
Contents
早発閉経(早発卵巣不全)の現状
早発閉経の原因としては、原因が分からないものが多いですが、1~2割程度が染色体異常などの遺伝子上の問題、甲状腺の病気や糖尿病などの自己免疫に関わる疾患、卵巣に関わる手術や科学・放射線療法の病気の治療などが考えられます。
もともと生理不順や生理が3ヶ月以上来ない無月経の人も、早発閉経になる可能性があります。
早発閉経の症状
早発閉経の症状としては、生理の回数が減って最終的には生理が来なくなります。
これに加えて更年期障害のように、体の調子が悪い、節々が痛む、疲れやすい、激しく落ち込んだりするなどの症状が現れます。実年齢より卵巣の機能が低下している状態です。
早発閉経の診断は女性ホルモン値でチェック
そして早発閉経の診断は、女性ホルモンの数値で決まります。
卵巣を刺激する下垂体ホルモンの中の卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体刺激ホルモン(LH)の数値がFSH→26.2~113.3mlu/ml、LH→5.72~64.31mlu/mlと高くなるのが特徴です。
早発閉経の確率は、20代では1000人に1人、30代では100人に1人と歳を重ねるごとに高くなっていきますよ。
ということは、歳をとるごとに卵巣の機能が低下していく人が多いともいえますね。
早発閉経の治療法
早発閉経の治療法で代表的なものは、ホルモン療法です。
女性ホルモンの数値が正常より高くなっているので、薬の服用で数値の改善を目指します。
具体的にはエストロゲン療法、GnRHagonist療法、副腎皮質ステロイド療法です。
これらの治療法は、ホルモンの数値を見てどの治療が合っているか、必要なのかを見極めて治療に取り組みます。それぞれどんな治療法なのか説明していきますね。
エストロゲン療法
エストロゲンは卵巣から分泌される女性ホルモンで、妊娠するために欠かせないもの。
この女性ホルモンを正常に働かせるために、エストロゲンを補充します。
代表的な治療法は卵胞の発育を促す薬であるプレマリン1日1.25㎎を3週間投与して、そのうちの10日目~14日目の間に、妊娠しやすい体作りに必要な黄体ホルモンのプロゲストンも1日5~10㎎併用で投与します。
この治療法を3~6周期行い、排卵しているかなどの卵巣の機能を経過観察することになります。
GnRHagonist療法
GnRHagonistとは、ホルモンの活動をコントロールする薬です。
GnRHagonist(スプレキュア)を1日900ugを4~8週間投与してから卵胞の発育やホルモン(エストロゲン)の数値などをチェックして、良好であれば卵巣を刺激して排卵を促す治療法であるゴナドトロピン(hMGーhCG)療法を追加してステップアップする方法です。
副腎皮質ステロイド療法
腎臓の上の端にある副腎というところから作られる、副腎皮質ホルモンの中の副腎皮質ステロイドを治療に用います。
副腎皮質ホルモンは妊娠に必要なホルモンなので、足りていない副腎皮質ホルモンを補うためのプレドニゾロン10~30㎎を投与して排卵が誘発されているか経過観察します。
妊娠を望まなくても治療した方が良い理由
妊娠希望で早発閉経の治療のためのホルモン療法ですが、実は妊娠希望でなくても治療が必要なんですよ。
それはなぜかというと、20代30代のまだ月経の来るはずの年齢に閉経してしまうと、体に様々な悪影響を及ぼしてしまうから。
更年期障害、骨粗鬆症、心筋梗塞、脳梗塞などの症状が出る確率が高くなります。だから早発閉経の治療は必須なんです。
早発閉経の治療で有名な病院
早発閉経の治療で有名な病院が全国にいくつかあります。
自分の住んでる地域の近くにあるか、通うことが可能か条件は出てくると思いますが、都道府県、病院名、著名の医師、病院の特徴を紹介するので、ぜひチェックして参考にしておいてくださいね。
宮城県│東京都│神奈川県│愛知県│大阪府│兵庫県│徳島県│福岡県│大分県
宮城県
京野アートクリニック(仙台市)
医師名:京野廣一
体外受精による妊娠出産を日本発で成功させた医師。体外受精、顕微授精をはじめとする高度生殖医療の専門クリニック。コラムの作成やセミナーの実施にも積極的。
東京都
順天堂大学医学部付属順天堂医院(文京区)
医師名:北出真理
朝日新聞出版「女性の病気で頼れる名医50人」に選ばれた医師。産科、婦人科腫瘍、婦人科内視鏡の3つの診療体制に分かれ連携をとりながら不妊症にも力を入れる。
慶応義塾大学病院(新宿区信濃町)
医師名:吉村泰典
不妊治療の第一人者である医師。生殖生理学、不妊症学、臨床内分泌学の研究に力を入れる。
山王病院(港区赤坂)
医師名:堤治
皇太子様の奥様、雅子様の出産を担当した医師。
梅ヶ浜産婦人科(世田谷区梅が丘)
医師名:辰巳賢一
これまで1万人以上の妊娠を成功させた医師。不妊治療に力を入れ、不妊症に関する本も出版。
杉山産婦人科(世田谷区大原)
医師名:杉山力一
最新設備を備え、不妊検診、日帰り専門内視鏡手術、体外受精、人口授精を専門とする。
HARTクリニック(港区南青山)
医師名:平山史郎
生殖心理カウンセラーとして活躍する医師。不妊症で悩む人の心の味方。
神奈川県
聖マリアンナ医科大学(川崎市)
不妊治療の高度な技術の治療に積極的に取り組んでいる。
愛知県
浅田レデイース名古屋駅前クリニック(春日井市)
医師名:浅田義正
妊娠という結果を重視した不妊治療を理念に掲げる。
大阪府
リプロダクションクリニック大阪(大阪市北区)
医師名:松林秀彦
不妊症の心のケアも大切にし、不妊専門機関として生殖医療の向上を目指す。
IVFなんばクリニック(大阪市西区)
医師名:森本義晴
不妊治療のエキスパート医師。一般不妊治療の他に、卵子獲得、胚質向上、着床改善の特殊治療の実績もある。
岡本クリニック(大阪市住吉区)
医師名:辻村晃
不妊治療に確実な治療を提供する医師。体外受精をはじめとする高度生殖医療を提供している。
西川婦人科内科クリニック(大阪市中央区)
医師名:西川潔
日本で始めての不妊症、更年期専門外来のあるクリニックを開設。生殖医療専門医制度認定研修施設でもある。
兵庫県
英ウイメンズクリニック(神戸市中央区)
医師名:塩谷雅英
不妊治療に関する研究機関もあり、しっかりカウンセリングを行い幅広い治療法を提案する。体外受精妊娠率と治療件数は全国で5本の指に入る。
徳島県
徳島大学病院(徳島市)
医師名:苛原稔
朝日新聞出版「女性の病気で頼れる名医50人」に選ばれた医師。不妊治療で全国的に高い評価を得ている。排卵誘発、生殖補助医療、腹腔鏡手術は全国トップレベル。
福岡県
蔵本ウイメンズクリニック(福岡市博多区)
医師名:蔵本武志
生殖内分泌学のスペシャリスト。カウンセリングにも力を入れ、最新の知識と設備で高度生殖医療を提供。
セントマザー産婦人科医院(北九州市)
医師名:田中温
不妊治療の治療で海外からの評価も高い医師。
大分県
セント・ルカ産婦人科(大分市)
医師名:宇津宮隆史
過去患者数2万人、妊娠6,200件以上の実績を持つ医師。しっかり治療に取り組むことで7割の患者様が1年以内に妊娠に成功。
心のケアも大事に早発閉経の治療を!
早発閉経の治療効果はすぐに出ない場合や、治療を長く続けても治らないケースも考えられます。
そうなると精神的ダメージも激しくなるかもしれません。
そのような時は、早発閉経の不妊治療を担当する医師としっかり話をして、カウンセリングを受けながら治療を受けた方がいいですね。不妊治療には心のケアも大事ですよ。