妊娠に欠かせない卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を促して、規則正しい月経と排卵できるカラダ作り。
卵胞刺激ホルモンの増加&減少に伴うカラダの変化や、検査・治療(生活改善)などについても紹介します。
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卵胞刺激ホルモン(FSH)の働き【妊娠に必要】
卵胞刺激ホルモン(FSH)は、性腺刺激ホルモンの1つで下垂体から分泌されます。卵巣内でまだ成熟していない卵胞の成長を促進する働きがあります。卵胞が成熟すると、ホルモン分泌が中止され、過度に成熟しないようにコントロールされています。
女性の体内では、主に次の3つの働きをしています。
- 卵胞の発育
- エストロゲンの生成を促進する
- 月経周期を整える
不妊気味な女性は、「卵胞刺激ホルモン働きが正常ではない」「分泌機能に異常がある」などの特徴があります。月経異常や更年期障害も、卵胞刺激ホルモンが足りていないことが分かっています。
実は、卵胞刺激ホルモンは男性にも存在し、精子の製造に欠かせません。妊娠のために、男女ともに必要なホルモンなんですね。
検査で分かる卵胞刺激ホルモン(FSH)の正常値
卵胞刺激ホルモンは、検査で分泌量が分かります。標準値は男女で異なりますが、女性はさらに月経周期のそれぞれの期間によって異なります。
卵胞刺激ホルモンの女性の標準値
- 【卵胞期:生理8~12日目】3.2~14.4mlU/ml
【排卵期:生理13~17日目】3.4~17.1mlU/ml
【黄体期:生理18日目以降】1.4~8.4mlU/ml
この範囲内になければ、ホルモンバランスの崩れや分泌不足による不妊の原因になっている可能性があります。
また、基本的に女性ホルモンの一種であるエストロゲン、プロゲストテロン、テストステロンなどの分泌が弱まると、卵胞刺激ホルモンは高まる傾向があります。
平均値よりも数値が高く更年期障害などその他の原因がない場合には、ホルモン値の異常による不妊や月経異常などの症状が表れます。
なお、閉経後の標準値は147.6mlU/ml以下。卵胞刺激ホルモンの数値が高い状態が続いていると、更年期障害の恐れありです。
ちなみに、検査は次のとおりです
検査方法 | 血液検査 |
費用 | 5,000円ほど |
単独検査よりも、その他の女性ホルモン値と合わせての検査になることが多いです。料金は、検査の回数や目的によって、保険か100%自費になるか変わります。
この検査が実施される代表的な例が、更年期障害の疑いがあるときです。更年期障害になると、卵胞刺激ホルモンの数値が急激に高くなるので、更年期障害かどうかがわかります。
若年性更年期障害や早期閉経でも卵胞刺激ホルモンが異常に高くなるので、20~40代中頃でも注意したいホルモン値です。
卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌が異常になる原因はなに?
卵胞刺激ホルモンと性ホルモン(エストロゲン・テストステロン)は、とてもつながりが深いホルモンです。性ホルモンの分泌が、卵胞刺激ホルモンの分泌に影響しているんですよ。
性ホルモン > 卵胞刺激ホルモン
性ホルモンが過剰に分泌されている、下垂体の機能低下
性ホルモン < 卵胞刺激ホルモン
ホルモンバランスが悪く、性ホルモンが足りていない
※エストロゲン=女性ホルモン、テストステロン=男性ホルモン
そもそも、卵胞刺激ホルモンを分泌する下垂体の機能が低下すると、当然このホルモンの分泌も減り、値も低下するのですね。このようなホルモン以上を放っておくと、月経が止まる原因にもなり、早期閉経などの原因にもなりうるので早めの治療が不可欠です。
卵胞刺激ホルモンの分泌を正しくする方法
卵胞刺激ホルモンの数値が正常でない場合の治療法は、卵巣の働きを高めることが最も効率的な方法だとされています。
普段の生活面でのストレスを軽減すると共に、その原因となっているものを取り除くことが治療の第一歩となります。
もし、数値が低い場合や排卵を誘発するときは、卵胞刺激ホルモン(FSH)を錠剤などで摂取することもあります。