不育症に負けない!原因や治療法 – 赤ちゃんを授かるお手伝い

流産を2回繰り返す不育症。宿った命が途中で失われる悲しみは到底言葉では表しきれません。

3度目の悲しみ(習慣流産)を迎えないために、できることを紹介します。

そもそも不育症の原因は?妊娠できる?出産率は?

不育症の原因

妊娠初期(12週未満)の流産は、そのほとんどが受精卵、胎児の染色体異常が原因です。

生理前のフライング検査陽性から、その後陰性に変わることで分かる化学流産もそれが原因ですね。

不育症の場合は、その他にも原因があるとされています。

代表的なのは夫婦染色体異常、子宮形態異常、内分泌異常、凝固異常です。

夫婦染色体異常

夫婦染色体異常は夫婦のどちらか、または両方の染色体の構造に異常があり、受精卵にも染色体の異常が出てしまいます。

子宮形態異常

子宮形態異常がある場合、子宮の形が悪いと着床に問題が出たり、胎児が育つにつれ圧迫されることがあります。

内分泌異常

内分泌異常は、甲状腺異常の病気や糖尿病などで流産のリスクが高まります。

凝固異常

凝固異常は血流の流れを悪くし血液が固まりやすくなる血栓症により、胎児に十分な栄養が届かなくなってしまいます。

不育症の原因の多くは理由がハッキリしない

不育症になる、主な4つの原因を紹介しました。
しかし、不育症の原因が分からない偶然に起こった流産が、全体の半数以上を占めているのも事実です。

不育症だと妊娠しにくいの?出産率はどのくらい?

気になるのが、
「不育症だと妊娠しにくいのか?妊娠しても出産するまでには育たないのか?」
ということですよね。

答えは不育症でも普通に妊娠できて、赤ちゃんを出産することもできる確率はとても高いです。

現に不育症の方の80%以上が妊娠、出産しているという厚生科学研究のデータがありますからね。

つまり、偶然に受精卵の染色体異常で流産を2回繰り返してしまった場合でも、不育症の原因をもっていても妊娠、出産することは可能なんです!

必ず受けたい不育症の検査の内容や料金など

まず流産を2回繰り返して
「不育症なのかも・・・。」
と心配になったら不育症の検査を受けましょう。
妊娠、出産への近道になりますよ。

不育症の原因である夫婦染色体異常、子宮形態異常、内分泌異常、凝固異常がないかどうかの検査になります。
それぞれについて説明しますね。

夫婦染色体異常検査

均型転座という胎児の染色体異常の発生に深く関わりがある異常があるかの検査で、遺伝のカウンセリングをした上で夫婦で採血をします。

採血した血液の白血球から染色体を取り出し、染色体の数や構造を見て異常がないか判断します。

費用は保険適応で2~3万円です。

子宮形態異常検査

器具を膣内から挿入して子宮内の状態を確認する経膣超音波検査をして、子宮内に異常がないか調べます。

また、子宮に造影剤という薬液を子宮に注入して、液が卵管をスムーズに通っているか、卵管に異常がないかを確認する子宮卵管造影検査をします。

子宮卵管造影検査自体が卵管の通りを良くして、卵子をきちんと運ぶことができて不妊改善にもつながるメリットがありますよ。

費用は保険適応で5,000~10,000円くらいです。

内分泌異常検査

内分泌異常検査とは、簡単にいえばホルモンバランスに異常がないか調べる検査です。

ホルモンバランスが悪いと不育症につながってしまいます。

基礎体温測定を測定したり、採血をして糖尿病、甲状腺機能、下垂体機能、黄体機能の測定をします。

費用は保険適応で1万円未満が大半です。

凝固異常検査

血液が固まりやすくなっていないかどうかを調べる血液検査です。

血液が固まりやすくなってしまうと、赤ちゃんに栄養を送るための胎盤に血の塊ができて血液が十分に行きわたらなくなって、不育症になる可能性があります。

費用は5,000円しないくらいです。

検査は全て受けるべきなの?

流産してしまう原因が分からないため、原因を突き止めるにはすべてを受けることがベストな選択です。

これらの検査にかかる費用をあわせると、4~7万円くらいになります。

不妊治療専門のクリニック、産婦人科医院、総合病院では値段に多少の差が出てしまうので、費用の金額は目安にしてくださいね。

不育症を改善しよう!主な治療法を紹介

不育症の改善は、通院も必要なのでハードルが高いですけど、自分でできることもあるんですよ。

まずは、自分でできることからなら気軽に始められますよね。

ここでは自分でできる治療法と、病院で専門的に行う治療法について具体的に紹介します。

自分でできる治療法

基礎体温を上げ、子宮内膜を厚くしたりする黄体機能は妊娠維持のためにとても大切です。

黄体機能を正常にするためには、きちんと睡眠時間をとる規則正しい生活と栄養バランスのとれた食事、そして何よりストレスをためずに充実した心穏やかな状態でいることがベストです。

また冷えも黄体機能を悪くしてしまうので、体を冷やさないように気をつけた服装にしましょう。

軽い運動やストレッチは血流を良くして、冷えの改善にもなります。
このように生活や食生活を見直し改善すると良いですよ。

病院で行う治療法

不育症の原因別に治療方法が異なります。

夫婦染色体異常では、遺伝のカウンセリングを強化して、染色体異常の種類によって妊娠確率や着床前診断の実施など治療方針を考えることになります。

子宮形態異常では、手術が必要かどうかを判断して必要な場合は、お腹を切る開腹術と、お腹は切らない子宮鏡下中隔切除術を行い、異常のある部分を取り除いたり、形を正常に戻します。

内分泌異常では、異常がある機能について薬で治療したり、生活習慣を改善したりと管理することが重要です。

凝固異常では、アスピリン、へパリンという抗凝固作用がある物質を使って、低用量アスピリン療法やへパリン療法で子宮内の血流環境を良くする治療をします。

これらの治療をすることで、妊娠、妊娠継続、出産できる可能性をアップすることができます。

お医者さんとよく話し合って自分の症状を理解し、納得した上で治療を始めましょう。

不育症の検査や治療の専門機関

不育症の治療にはやはり専門の病院の受診をおすすめします。

日本にある不育症の治療の専門機関を、各都道府県名ごとに住所、電話番号、実績や特徴をまとめてみましたので、ぜひ参考にしてくださいね。

青森県

弘前大学医学部産科婦人科

治療により92.3%の患者さんが妊娠を継続して赤ちゃんを授かることができています。

住所 弘前市在府町5
電話 0172-37-6842

山形県

山形大学医学部分子病態学講座

不育症治療の検査方法、診断方法を研究して治療に役立てています。

住所 山形市飯田西2丁目2番2号
電話 023-628-5276

埼玉県

国立保健医療科学院

住所 和光市南2-3-6
電話 048-458-6111

東京都

慶応義塾大学病院産婦人科

不育症の総合的な取り組みをしています。

住所 新宿区信濃町35
電話 03-3353-1257

東京慈恵会医科大学産科婦人科学講座

治療成績は妊娠維持率が抗凝固療法では83%、妊娠維持率免疫療法では76%となっています。

住所 港区西新宿3-25-8
電話 03-3433-1111

日本医科大学産婦人科

アスピリン・へパリン療法、夫リンパ球免疫療法、子宮奇形などの手術による治療にも積極的に取り組んでいます。

住所 文京区千駄木1-1-5
電話 03-3822-2131

国立生育医療研究センター病院 周産期センター

周産期診療部という独自の不育症専門の科が、他の科とも連携して妊娠、出産をバックアップします。

住所 世田谷区大蔵2-10-1
電話 03-5494-7300

国立生育医療研究センター研究所 周産期病態研究部

赤ちゃんがお腹の中で育つ仕組みを、最先端の技術で研究して不育症の治療に役立てます。

住所 世田谷区大蔵2-10-1
電話 03-5494-7300

東京大学医学部付属病院女性診療科・産科

年間初診に来る患者さんの85%の方が赤ちゃんを授かることができてます。

住所 文京区本郷7-3-1
電話 03-3815-5411

日本大学医学部付属板橋病院産婦人科 母体救命対応総合周産期母子医療センター

免疫が原因である病態、治療に関する不育症の専門機関で、より詳しい検査も実施しています。

住所 板橋区大谷口上町30-1
電話 03-3972-8111

日本大学医学部病態病理学系微生物学分野

不育症の免疫や感染に係る部分を特に専門にしています。

住所 板橋区大谷口上町30-1
電話 03-3972-8111

国立病院機構東京医療センター 産婦人科

不育症に対する独立の科はないが、抗血栓療法やホルモン治療を行っています。

住所 目黒区東が丘2-5-1
電話 03-3411-0111

神奈川県

杉ウイメンズクリニック不育症研究所 東海大学医学部産婦人科

習慣流産、反復流産、子宮内胎児死亡を経験された方を対象に最先端の検査、治療をすることで不育症を改善します。

住所 横浜市港北区新横浜2-12-1
電話 045-470-2113

富山県

富山大学大学院医学薬学研究部 産婦人科学

アスピリン・へパリン療法、ステロイドホルモン・漢方療法が専門です。

住所 富山市杉谷2630
電話 076-434-7714

愛知県

名古屋市立大学産婦人科・名古屋市立大学公衆衛生学分野

不育症抗うつ調査と心理療法、不育症患者さんの葉酸療法などもあります。

住所 名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1
電話 052-851-5511

名古屋市立大学大学院医学研究科 精神認知行動医学分野

不育症の精密検査をしていて、抗うつ状態や強い不安感がある患者さんに短期精神療法をしてストレスを軽減します。

住所 名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1
電話 052-853-8077

大阪府

大阪大学医学部付属病院

手術療法の他に、夫婦での不育症治療にも力を入れています。

住所 大阪府吹田市矢山田丘2番15号
電話 06-6879-5111

大阪大学薬学研究科毒性学分野

医薬品の開発研究を推進していて特に不育症に関連しています。

住所 大阪府吹田市矢山田丘1-6
電話 06-6879-8144

大阪府立母子保健総合医療センター母性内科・産科・研究所免疫部門

抗リン脂質抗体の不育症治療の確立、抗疑固療法などで約300人の患者さんが出産しました。

住所 大阪府和泉市室堂町840
電話 0725-56-1220

兵庫県

神戸大学 産婦人科

原因不明の習慣流産や抗リン脂質抗体の不育症の治療に、特に成果があります。

住所 神戸市中央区楠町7丁目5-1
電話 078-382-5111

岡山県

岡山大学大学院保健学研究科・岡山大学病院産婦人科 不育症専門外来・岡山県不妊相談センター「不妊、不育とこころの相談室」

血管障害による不育症、精神的なストレスの緩和の研究を特に行っています。

住所 岡山市北区鹿田町2-5-1
電話 086-235-7320

川崎医科大学 産婦人科 川崎医科大学公衆衛生学教室

内科合併症の方の妊娠相談にものっています。

住所 倉敷市松島577
電話 086-462-1111

福岡県

九州大学大学院医学研究院臨床検査医学分野 九州医学病院検査部

血液凝固異常症の遺伝子検査も行っています。

住所 福岡市東区馬出3-1-1
電話 092-641-1151

自分を責めずに治療に取り組んでください

新しい命がお腹に宿っても、流産を繰り返してしまうのは本当につらいですよね。

「自分に原因があるから赤ちゃんが育たないのかも・・・」
と自分を責めてしまい、旦那さんにも申し訳なく思ってしまうかもしれません。
でも自分を責めなくていいんです。

赤ちゃんは授かりもの。妊娠して出産することは当たり前ではないんです。

ストレスを溜め込んで負の連鎖を起こさないためにも、赤ちゃんを授かるために、できることをあきらめずに無理せず取り組んでいきましょう!


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