卵巣茎捻転(らんそうけいねんてん)とは、子宮と卵巣とをつなぐ「卵巣固有靭帯」と、骨盤と卵巣の間をつないでいる「骨盤漏斗靭帯」がねじれて起こる病気を「卵巣茎捻転(らんそうけいねんてん)」と言います。
卵巣茎捻転の症状
卵巣茎捻転になると、次のような症状が出ます。
- 急な腹部の激痛
- 吐き気・嘔吐
- 高熱(炎症がでると熱が出る)
少しねじれたくらいなら、元に戻ることもあるといわれ、その場合にはこれらの症状は治まります。しかし、一度卵巣茎捻転を起こすと、靭帯が伸びて癖になっているので、再発しやすくなります。
さらに、180度以上回転するねじれが生じると、靭帯を通る血液が流れなくなります。そのまま放っておくと、血液が流れない部分で壊疽が起きたり、炎症が起こって再度激痛が起こります。
そして、ねじれによって血管が損傷(切れる)して血液が卵巣内に溜まると、卵巣が破裂する危険性もあります。
卵巣茎捻転になる確率は?どんな人がなるの?
卵巣茎捻転は、どんな女性でもなる可能性がありますが「卵巣腫瘍がある」「妊娠・出産後の女性」は起こりやすくなります。
その理由は、腫瘍の重みや妊娠出産で、靭帯が伸びねじれやすくなっているためですね。産後は、子宮が収縮する際にあやまってねじれてしまうこともあります。
茎捻転しやすい年代は、卵巣嚢腫ができやすい20~40代です。年齢が若いので、嚢腫大きくなりやすいことも関係しています。
卵巣茎捻転の治療法
卵巣茎捻転の治療方法は、手術のみです。それも、突然の激痛があるために、緊急の手術となることが多く、その範囲などによって開腹手術となるか腹腔鏡手術となるか分かれます。
多くの場合は、手術後の回復の早い腹腔鏡手術。この時、今後の妊娠を望む場合は卵巣を残した温存手術をし、ねじれのみを直してあとは腫瘍などを摘出します。
一方で、妊娠を望まないなら卵巣や卵管を摘出し、手術後に茎捻転になるリスクを減らします。
卵巣茎捻転になっても妊娠できるの?
卵巣茎捻転が起こっても、卵巣を残していれば妊娠できます。
しかし、卵巣茎捻転が起こる原因である卵巣腫瘍があった場合には、腫瘍によって排卵などが邪魔されてたり、子宮の環境が悪くなっていることがあります。それらの要因を考えると、自然妊娠をただ待つだけでは妊娠の可能性は通常より低くなるでしょう。
卵巣茎捻転を起こした後で妊娠するなら、卵巣や卵管の状態を検査して治療(不妊治療)していくことがベターですよ。