葉酸で防止できる胎児の先天性疾病

葉酸による先天性疾病の予防は、母子健康手帳にもしっかり書かれています。
葉酸で予防できる胎児の疾病は、脳・心臓・見た目などさまざま。
ママの葉酸不足が、赤ちゃんの将来を左右してしまうこともあるんですよ。

元気でカワイイ赤ちゃんに会えるよう、葉酸の重要性について母子健康手帳よりも深く詳しく紹介します。

葉酸が胎児の先天性障害防止に働く根拠

先天性疾病が発症する原因は、まだすべて明確に解明されたわけではありません。
遺伝的なもの、生活環境、薬の服用や病院での治療・・様々な要因があります。

しかし先天性障害を引き起こす可能性がある原因として特に妊娠初期の細胞分裂がうまくいかなかったことや、受精卵の染色体異常が考えられます。

妊娠初期は胎児の脳や神経、心臓といった大事な部位を形成する時期なので、その時期に正常に細胞分裂を繰り返して成長することはとても大切。

葉酸は細胞内のDNAを作って細胞分裂を正常に行うサポートをする働きがあるので、日本の厚生省は妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月の間は特に1日400ug程度の葉酸を継続して摂取した方が良いと勧めているんですよ。

実際に葉酸摂取で神経管閉鎖障害のリスクが減ったという研究結果があります。
海外のイギリスで、妊娠前から妊娠初期に葉酸サプリメントを摂取した妊婦さんが、摂取していない妊婦さんよりも胎児が神経系の障害になるリスクが72%減少したと報告されたんです。

参考URL:みらいたべるの調査結果

72%減少というのはかなり高い確率で防げるということですよ。

でも、「神経管閉鎖障害ってどんな病気?胎児の先天性疾病って他にはどんな病気があるの?葉酸で防げる根拠は?」
と疑問に思いますよね。

葉酸で具体的に予防できる先天性障害・疾病は先天性奇形、二分脊椎症、無脳症、口唇裂・口蓋裂、自閉症、ダウン症、先天性心疾患の7つです。(病気の症状については、こちらで詳しく紹介します)。

イギリスの研究結果にもある神経管閉鎖障害は、神経管の一部が塞がることで脳や脊髄が正常に作られない障害で二分脊椎症、無脳症が含まれます。

口唇裂・口蓋裂については、海外の環境健康科学研究所が1日400ugの葉酸を摂取することで口唇裂になるリスクを減少させることができると発表。
参考URL:ニュースメディカルネット(日本語版)

自閉症はノルウェー公衆衛生研究所の研究結果で、妊娠前1ヶ月~妊娠後2ヶ月までに葉酸を摂取した女性から生まれた子供は自閉症になる確率が低いことが分かっています。
参考URL:妊娠前後に葉酸を摂取すると出生児の自閉症リスクが減少(医療NEWS)

ダウン症は、世界五大医学誌の「The Lancet」で、ダウン症の多い家系は葉酸不足になっているので妊娠前から葉酸を摂取することでダウン症のリスクを減らせるという論文が発表されています。
参考URL:Frequency of Down’s syndrome and neural-tube defects in the same family.(海外サイト)

先天性心疾患は、カナダで1998年に小麦粉やパスタに葉酸添加が始まる前と後で赤ちゃんが先天性心疾患になる確率が11%減少したという調査結果があります。
参考URL:
千葉アンチエイジング研究所

このことからも葉酸の細胞分裂を正常に行うサポートをする働きが胎児の先天性障害防止にとても有効だとわかるので、ぜひ妊娠中は積極的に葉酸を摂取しましょう!

防止できる先天性障害・疾病一覧

先天性障害・疾病には具体的にどのような病気でどんな症状なのかわかっていた方が、より「絶対に葉酸を飲まなきゃ!」という意識になりますよね。

ここでは葉酸で予防できる先天性奇形、二分脊椎症、無脳症、口唇裂・口蓋裂、自閉症、ダウン症、先天性心疾患について具体的にどういうものなのか紹介します。

先天性奇形

生まれる前から体の一部が正常とは違う形で奇形が生じている病気の総称。
先天性奇形には二分脊椎症、無脳症、口唇裂・口蓋裂、口唇裂・口蓋裂も含まれます。

二分脊椎症

神経管の下部が塞がった状態になって脊髄や脊柱が正常に作られないので、脳からの大事な指令が下半身を動かすように伝達されないことにより、麻痺して足が変形したり運動障害や膀胱・直腸の障害を引き起こします。

無脳症

神経管の上部が塞がった状態になるので、脳が正常に作られません。
胎児はママのお腹の中で成長できても脳がほとんどできていないことが原因で流産や死産になる確率がかなり高い。

口唇裂・口蓋裂

口唇裂は口唇の一部分裂けて切れ目が現れた奇形です。
少しだけ裂けていたり、鼻の下までしっかり裂けているもの、2箇所以上切れ目ができてしまう場合も。
口蓋裂は口を開けた時の上壁の部分である口蓋が裂けて口腔と鼻腔がつながった状態です。
これらの症状は合併しておこることが多い。

自閉症

生まれつき脳の障害があることが原因で、言葉の発達が遅かったり周りの人たちとうまくコミニュケーションがとれない、反復的な行動を繰り返したり自己の強いこだわりがあるなどの症状が3歳くらいまでにみられます。

ダウン症

染色体異常が原因で知的障害や発達障害、難聴や心疾患を併発したりと様々な症状を合併することがあります。
顔は目や鼻が小さく、目のつり上がった状態がダウン症の子は共通しているので特徴的。

先天性心疾患

生まれる前から心臓の造りに異常がある状態です。
治療の必要のない軽度のものから、生まれてからすぐにでも手術しなければならない重症のものまでさまざま。日本で一番多く6割を占める心疾患は、心臓中の左心室と右心室の間の壁に穴が開いた状態の心室中隔欠損症です。

葉酸プラスお腹の赤ちゃんに悪影響のものに気をつけよう!

障害は不幸ではないけれど、手術の負担があったり生活するのに支障がでてしまうのでやはり大変。
葉酸を摂取することで赤ちゃんの先天性の病気を防ぐ確率が上がるなら絶対葉酸を摂りたいですよね!

しかしながら生活環境、薬の服用や病院での治療も影響する可能性があるのも事実。

タバコは吸わない&お酒を飲まない、放射線治療や薬の服用には細心の注意をはらい医師に相談するなどしましょう。
葉酸の効果を十分に発揮できる体作りや環境を整えることも大切です。


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