クアトロテストは受けた方がいい?35歳からの出産

35歳以上の出産で「受けようかな」と考えるクアトロテスト(血清マーカーテスト)。高齢出産ではダウン症などの先天性異常の確率が高くなるため、検査を考える妊婦さんが多くなります。

20代中盤から30歳ごろであっても、生まれてくる子供に障害の不安があってクアトロテストを受ける女性もいます。

妊婦さんの不安を取り除くクアトロテストの確率や検査方法などについて、紹介します。

クアトロテストはどんな検査?

クアトロテストとは、女性のお腹の中に宿った赤ちゃんに遺伝子的な異常がないかを調べる検査です。妊婦さんの血液を採取し、血液中の4種類のたんぱく質と妊婦さんの人種や年齢、身長体重などのデータを元に、お腹の中の赤ちゃんが遺伝子的な異常を持っている確率を調べます。

クアトロテストを行うことは、出生前診断を行うかどうか決める判断材料のひとつにもなりえます。初めから出生前診断を行い、自分のお腹の中に宿る赤ちゃんに遺伝子的な異常を持っているのかどうかを知るよりも、その確率はどれくらいなのか事前に知っておくことによって、心の準備をすることができます。

クアトロテストで何が分かるの?

クアトロテストの結果分かるのは、お腹の中に宿る赤ちゃんがダウン症候群である確率、18トリソミーである確率、開放性神経管奇形である確率です。

ダウン症候群

ダウン症候群とは、知的や運動能力の発達に遅れの出るもので、様々な病気を合併してしまう可能性があります。ただしこれらの合併症は治療が可能であり、知的や運動的発達の遅れも早い段階からそれに応じた教育を行ってあげることで、成人してからの社会生活も送ることができるようになります。

18トリソミー

18トリソミーとは、ほとんどの場合心臓の形が健康なものとは違うものとなってしまいます。こういったことから、お腹の中にいる段階から赤ちゃんのからだの発達の遅れが顕著であります。

開放性神経管奇形

開放性神経管奇形とは、赤ちゃんの脳や脊髄に発達障害を起こすことです。頭蓋骨が正しく形成されないことのよって脳が発達しない無脳症や、脊椎が正しく発達しない二分脊椎はこれにあたります。これは、妊娠初期で形成されるはずである神経管が、ただしく発達しないことによって起こるものです。

検査精度はどれくらい?

クアトロテストの検査の精度は、ダウン症候群で86.4パーセント、18トリソミーで79.5パーセント、開放性神経管奇形で86.1パーセントであるといわれています。

あくまで可能性なので、実際にお腹の中に宿る赤ちゃんが遺伝子的な異常を持っているのかどうかについては、羊水検査やNIPTなどの出生前診断を行わない限り分かりません。

クアトロテストの検査方法

クアトロテストは、妊婦さんの血液採取と身体データを利用して行われるので、とても安全な検査方法です。もちろん、流産などお腹の赤ちゃんへの危険性はありません。

血液採取では、血液中のアルファトプロテイン、ヒト絨毛ゴナドトロピン、エストリオール、インヒビンAという4つの成分を測定します。

妊婦さんの身体データとして、年齢や身長体重、過去に遺伝子的な異常を持った赤ちゃんを妊娠したことがあるかどうか等です。

4つの成分の測定結果と妊婦さんのデータを鑑みて、お腹の中に宿る赤ちゃんが遺伝子的な異常を持っている確率を算出することになります。

検査を受けられる時期や料金など

妊娠15週から21週6日まで受けることができます。ただし、このクアトロテストを受けてから出生前診断を行うことがあるので、15週から17週の間に行うことが推奨されています。

料金は、病院によって異なりますが、1万円から2万円程度です。羊水検査やNIPTなどの出生前診断と比べると、かなり安い費用です。

検査を受ける前の心構え【結果に直面したときのために】

クアトロテストを受ける前には、担当医からしっかりとしたカウンセリングがあります。なぜなら、人は誰しも「まさか自分がそんな目にあうわけはない」と思っているため、クアトロテストの結果を受け入れることができずに、夫婦がお互いを責め合ったり、人工中絶をしてしまったりと悲しい選択をしてしまう場合があるからです。

障害の確率が高い結果が出ても健康で生まれてくる可能性もあるので、「中絶しなくて良かった」という結果になることも事実としてあります。

クアトロテストの結果は「確実」なものではなく「可能性」でしかありません。障害が疑わしい判定が出たけど健常な赤ちゃんが生まれたり、その逆に、確率は少ないですが、判定は良好だったけど障害を持って生まれる子もいます。

赤ちゃんの染色体に異常がある可能性があると分かった場合、より詳しい結果が得られる(かわりに若干にリスクがある)羊水検査に進むことも1つの選択肢です。

クアトロテストの検査の結果をどう受け止めるのかは、あなた方ご両親の判断。どんな検査結果が得られても、障害の可能性を100%排除することはできませんよ。


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