生理周期や妊娠しやすいタイミング、妊娠しているかどうかを知るための手がかりとなる基礎体温、毎日計測しているという方も多いのではないでしょうか。では、妊娠したらもう基礎体温は測らなくてもいいのでしょうか?実は妊娠中の基礎体温も身体の中の状況に合わせて変化しているのです。今身体の中はどうなっているのか、おなかの中で赤ちゃんが健康的に成長しているかを知るために、妊娠中も基礎体温を計測することをおすすめします。
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妊娠中の基礎体温の変化
排卵が終わり次の月経が近づくと、それまで排卵のために分泌されていた黄体ホルモンは徐々に減少し、基礎体温は低温期へと入っていきます。しかし妊娠すると、卵巣を厚くして赤ちゃんをしっかり守るために黄体ホルモンは分泌され続けます。そのため、月経が近くなっても高温期が続きます。これが妊娠の目安となります。黄体ホルモンは妊娠13週目前後の妊娠初期の間はずっと分泌され続けるため、この期間は高温が続きます。
妊娠14週目に入ると、胎盤も完成し赤ちゃんを守るために分泌され続けていた黄体ホルモンも徐々に量が減っていきます。これによって基礎体温も徐々に下がり始めます。基礎体温が低下し始めたら、安定期に入った兆候だと考えていいでしょう。
基礎体温は妊娠後期に入ってもそのまま下がり続けます。このころになると、おなかの中の赤ちゃんもずいぶんと大きくなり、子宮や内臓が圧迫されるために血行が悪くなって冷えや便秘の症状に悩まされる妊婦さんが増えてきます。妊娠中の冷えは難産や赤ちゃんの健康を阻害する危険もあります。この時期はしっかりと身体をあたためて出産に備えることが大切です。
基礎体温の変化に神経質になり過ぎないように
妊娠中の基礎体温の変化はおなかの中の赤ちゃんの状況を知る大きな目安となりますが、その変化にあまりにも神経質になってしまうと、逆にストレスとなってお母さんにも赤ちゃんにもよくない影響を与えてしまいます。基礎体温の変化は参考程度にし、リラックスした気持ちで妊娠生活を送るのもいいのではないでしょうか。
妊娠初期に基礎体温が下がるのは流産の兆候!?
妊娠初期は、おなかの中を赤ちゃんが過ごしやすい状況にするために黄体ホルモンの分泌が増えます。これによって、妊婦さんの体温は高い状態が続きます。しかし、まれに妊娠初期に基礎体温ががくっと下がってしまうことがあります。「妊娠初期の基礎体温の低下は流産の兆候!?」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。しかし、基礎体温は環境の変化や測り方の違いなど、ちょっとしたことに影響されて上がったり下がったりするものです。まずは落ち着いて、様子を見て見ましょう。
妊娠初期に基礎体温が下がる原因は?
基礎体温が下がる原因のひとつに、インプランテーションディップというものがあります。これは黄体ホルモンの分泌が乱れるために基礎体温が下がるもので、5人に1人の妊婦さんに現れるといわれています。1~2日低温期が続いた後はまた体温は上昇していくため、特に気にする必要はありません。
基礎体温は気温に大きく影響されます。突然気温が下がったりすると、基礎体温も一時的に下がることがあります。また、基礎体温計の接触が甘かったために測り間違えてしまったということも考えられます。
基礎体温は、胎盤が出来上がり安定期に突入すると低下します。安定期は妊娠14週前後からといわれていますが、これには個人差があるため、妊娠10週前後で安定期に入る人もいれば18週近くなっても妊娠初期の高温期が続く人もいます。妊娠11週前後で基礎体温が下がり始めたのであれば、安定期に入ったと見ていいでしょう。
流産で体温は下がる?
妊娠初期に起こりやすい流産のひとつに繋留流産があります。これは、おなかの中にいる状態で赤ちゃんが死んでしまうもので、まだ赤ちゃんがおなかにいるため黄体ホルモンは分泌され続けます。そのため、繋留流産で基礎体温が下がることはありません。
基礎体温が急に下がったら、まずは様子見
一時的な基礎体温の低下であれば、翌日にはまた元に戻ることが多いので、まずは2、3日様子を見ましょう。3日たっても体温が戻らない、痛みや出血などの症状があるといった場合には、産院で検査するようにしましょう。