フーナーテストで良い結果が得られないときは、次のステップを考えます。
もう一度検査するのか、男性側に問題がみつかり別の検査をするのか、早く授かりたいなら人口授精に進む夫婦もいます。
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フーナーテストの結果が悪い原因
フーナーテストは子宮けい管粘液の中の精子の状態を調べるわけですが、結果が悪い原因は女性側と男性側どちらかに問題がある、あるいは両方に原因がある場合があります。
女性側の原因
女性側の問題としては、次の理由が主な原因です。
- 子宮けい管粘液自体が少ない
- 子宮けい管が炎症を起こしている
- 精子と子宮けい管粘液の相性が良くない＝抗精子抗体を持っている
※抗精子抗体とは、精子の進入を拒否する抗体のことです
男性側の原因
男性側の問題としては、精子がいない、少ない、動きが鈍いなどの精子異常です。
この他にも検査を受けるタイミングが、早すぎても遅すぎても結果が悪くなる場合が。
検査前の体調不良が影響してしまうこともあるんです。
「不良・不可」の判定がでたら次にすべきこと
まず原因が分かれば、さらに詳しく検査する必要が出てきます。
女性側なら抗精子抗体検査、男性側なら精液検査です。
抗精子抗体検査は血液検査で、抗体があるかどうか調べることができます。
精液検査は、射精時の精子の量、精液の中の精子の状態などを調べます。
精子の数や精子の運動率、奇形のある精子の有無や数が主なチェック項目です。
検査方法は自分で射精した精液を病院で渡される専用の容器に入れます。
自宅で行う方法、病院で行う方法のどちらでも可能なので、医師と相談しましょう。
検査費用は抗精子抗体検査は保険適応外なので１万円程度、精液検査は保険適応で500円程度になりますが、病院によってはより細かく調べる項目があれば保険適応外の検査もあり、高額になる場合もあるので事前に確認しておくと安心ですね。
この検査結果により原因の治療をするのか、治療で治る見込みがない場合は人口授精の検討をした方が良いのか考えていかなければいけません。
フーナーテストを受ける回数も重要ですよ。１回のテストの結果がすべてではないからです。
体調やタイミングの問題の可能性もあるので、３回くらい検査を受けてその結果を総合して考え、今後どうするか医師と話しましょう。
治療法はあるの？人口授精に進むべき？
ここで気になるのが「フーナーテストで分かった不妊の原因の治療法ってどんな方法があるの？」ということです。
原因別の治療法を紹介するので参考にしてくださいね。
子宮けい管粘液が少ない
自分でできることとしては、食生活や生活習慣の改善、足りない栄養をサプリメントで補充するなど。
さらに本格的な治療法としては女性ホルモンであるエストロゲンを内服したり、注射したりして足りない分を補い、ホルモンバランスを整えるようにします。
子宮けい管の炎症
炎症を起こしている原因の治療をします。
クラミジアなどの細菌感染、膣炎が子宮けい管まで拡大した炎症など炎症を治すための抗生物質の薬を内服したり、膣剤を使用して治します。
もちろんその間は性交を控えましょう。
精子がいない「無精子症」
まず無精子症は、精子は作られているがその通り道が塞がられている「閉塞性無精子症」と、精子がまったく作られていない、もしくはごく微量しか作られていない「非閉塞性無精子症」に分けられます。
閉塞性無精子症では精路再建手術をします。
非閉塞性無精子症ではホルモン異常によるものであれば、ホルモンを正常にするホルモン注射をします。
これにより精子が出現して運動する可能性が出てきます。
しかし精巣の異常によるものは治療法というものはなく、顕微鏡による精巣内の精子採取手術でごく微量の精子を取り出し、顕微授精をするのが一般的です。
OAT症候群
精子の数が少ない「乏精子症」、精子の運動率が悪い「精子無力症」、奇形精子が多い「奇形精子症」をなどをOAT症候群と呼びます。
治療改善には、まずは生活習慣の改善をしていきます。
飲酒、喫煙、食生活の乱れ、睡眠不足がある場合は見直していきましょう。
漢方薬が有効なこともあるので医師と相談しながら服用します。
精索精脈瘤という陰襄の近くに血管の塊ができてしまう病気が原因の場合は、抗酸化療法でコエンザイムQ10（細胞の錆びつきを防ぐ抗酸化物質）を摂取することで改善がみられることも。
改善がみられない時は、手術で瘤を除去すれば状態が良くなると期待もできます。
OAT症候群の治療が思わしくない場合は？
しかし、これらの治療で思うような効果が得られない時は、早めに人口授精を考えた方が良いかもしれません。
夫婦の年齢が高齢であれば、治療するよりも人口授精を選択した方が、より早く妊娠を望める可能性も。
また治療の効果が期待できない抗精子抗体が原因の不妊の場合は、始めから人口授精を検討した方が良いでしょう。
その方が妊娠できる確率が上がっていきます。
フーナーテストの結果が良好でも妊娠できないことがある！その逆も！
フーナーテストが不妊の原因を調べるのに、有効な検査だということはお分かりいただけたと思います。
でも、フーナーテストの結果がすべてではありません。
結果が悪いからといって、絶対妊娠できないわけではないし、その逆で結果が良好なのになかなか妊娠できないことだってありますから。
精子と卵子が出会って受精し、受精卵となって着床して妊娠が成立することはいくつもの偶然が重なる奇跡のことなんです！
フーナーテストはその確率がどのくらいかを示す目安となるもの。次のステップに進むために役立つものってことですからね。